シャンプー中に髪の毛が手に絡まり、
「まさか、ハゲてきてる?」と不安になりながら、
「まぁ、まだまだ秋だしね。換毛期だしね」と、
自分をなだめている、
オオカミの血筋を引いてるみなさんこんにちは。
洗面所の床、見ないようにしてませんか?
そろそろ、「次の家では洗面所の床を白にするのはやめよう」って、心に誓っていませんか?
……どうですか? 当たってますね?
あなたの考えてること、わかります。
なぜなら私は──よく当たると噂の占い師に
占いを教えてもらったことが
一度もないからです。
全ては、想像と、思い込みと…、
そして昨日の夜に検索した
「洗面所 床材 失敗例」のGoogle履歴からの勘です。
どう? すごいでしょ?
これからはシークレットモードにしたほうがいいよ。
さて、タテガミの抜け毛に困ってるのは、あなただけじゃない。
私も動物占い、オオカミなんだ。
仲間だね!!
そんなオオカミ女の私も、美容室のヘッドスパで「生えどころ」を整えてもらった。
11時に予約したのに、案内されたのは11時55分。
おそいよ!!
お昼これからなのにさ! 胃袋、自分の肉を吸い始めてるんだけど!
だいたい、待合室に雑誌もないし!スマホもロッカーに預けちゃったよ!
棚に飾ってある謎の液体瓶の、
名前当てゲームしながら過ごすしかないじゃないのさ。
それなのに、遅れてごめんなさいとか一言も…
…でも、優しいから私、
呼ばれたら笑顔で「は〜い!」って微笑む。
こうやって人に優しくすると、いずれは自分に返ってくるものよ!
担当は、華奢で女性らしい美容師さん。
立ち姿なんてもう“鶴”。
しかし……これ、ほんとにスパ?
指先、羽なの? 鶴の手羽先?
それ、触れてる?ってくらいのソフトタッチ。
もっと強くていいんだけど?
私そんなヤワな女じゃないわ。イヌ属だし。
なんか、気を送ってる?
いや、逆に受け取ってんの?
頭フワフワ撫でながら謎の交信始めてない?
私の頭、水晶玉と間違えてない?
……って思ってたら、突然ガシガシ。
爪、長っ。いたっ!
やっぱり魔女かよ!
水晶玉が偽物だったからって雑に扱わないで!
手羽先で頭皮の穴ほじくらないで!
獣臭と加齢臭が混ざったシャボンの香り、握り潰さないで!
そしてもうこれ以上、私を脱毛させないで!
しかし私、優しいから堪える。
体に力が入り、自然と下まぶたが持ち上がる。
白目むきながら謎の啓示を受ける私。
涙目になりながらも、口角はしっかり上げて。
だけどいつだって微笑みだけは忘れないで。
スパ中ずっと白目剥いて頑張った結果、
なんだか目の周りがじんわり鍛えられた気がした。
布が外されて、カット台に移動しようとしたとき──
ふと、隣でシャンプーしているお客さんが目に入った。
……え、透けてんじゃん。
その白い木綿のハンカチーフ、めっちゃ透けてんじゃん。
ってことは、
私の白目、全部…、美容師さんに見られてたってこと?
下まぶたを持ち上げて、口角ひきつらせて、
神のお告げを受ける預言者みたいになってた、私のあの時間──
全部…
美人で、カリスマで、しかも魔女で、
親友にネイリストがいて、新作デザインをお得に施してもらってるタイプの、
指が手羽先の女に……
ぜんぶ、見られてたってこと……!?
「今日は、神秘的な雰囲気ありますね」
いや、ちがう、そうじゃないよ!
そんな言葉を求めてたんじゃないんだよ!
ほぼ1時間待たされた上に、魂まで抜かれに来たわけじゃないんだよ!
手羽先で、石引っ掻いてる暇あるなら気づけよ!
鶴の恩返しどころか、恩を仇で返して、
“白眼狼(はくがんろう)”はお前だよ!!
ちゃんと恩の返し方ググってこい!
もうダメだ。
美容室、変えようかな。恥ずかしいし…。
巣穴があったら入ってみようかな。
そんな目標、今日こそ持ってみようかな。
雑誌でも読んで落ち着こ……
ん? 動物占いか。
あれ?
……ちょっと待って。
私、オオカミじゃなくて、
そういやゾウだったっけ。
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